 |
代表的な公的補助は介護保険により給付される住宅改修費です。
その概略を記します。

対象

要支援・要介護認定を受けた方で、居宅で自立した日常生活を送るための支援として住宅改修が必要な方。なお、現に住んでいる住居の改修に限ります。
費用

要支援、要介護度に関係なく、原則として一人が一生で20万円までの利用ができます。
従って20万円までなら何度かに分けて使うことができます。
20万円の住宅改修を行った場合には、給付金は18万円になり、1割の2万円が自己負担となります。
次の場合には改めて20万円までの支給を受けることができます。
- 要介護等の程度が初めて住宅改修に着工した日と比べて3段階以上上がった場合(要支援→要介護3以上、要介護1→要介護4以上、要介護2→要介護5となった場合)
- 転居した場合
給付の時期

工事費を一旦全額支払った後に、限度額範囲内でかかった費用の9割が給付されます。残り1割と限度額を超えた費用が自己負担になります。
対象となる住宅改修の種類
- ■手すりの取付け
- 廊下、便所、浴室、玄関など室内に設置するものや玄関から道路までの通路などに設置するものが含まれます。なお、貸与される福祉用具である手すり(工事を伴わないもの)は除かれます。
- ■段差の解消
- 居室、廊下、便所、浴室、玄関などの各室の間の床の段差や玄関から道路までの通路などの段差を解消するためのものです。
具体的には、敷居を低くする工事、スロープを設置する工事、浴室床のかさ上げ工事などがあります。
福祉用具として貸与される「スロープ」や「浴室内すのこ」(工事を伴わないもの)は除かれます。
また、昇降機、リフト、段差解消機等動力により段差を解消する機器を設置する工事も除かれます。
- ■滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
- 具体例としては、居室では畳敷きから木製床材、ビニル系床材などへの変更、浴室では床材の滑りにくいものへの変更、通路では滑りにくい舗装材への変更などが想定されています。
- ■引き戸等への扉の取替え
- 開き戸を引き戸、折り戸、アコーディオンカーテン等に取リ替えるといった扉全体の取替えのほか、ドアノブの変更、戸車の設置等も含まれる。
ただし、引き戸等への扉の取替えに合わせて自動ドアとした場合には、自動ドアの動力部分の設置はこれに含まれず、保険給付の対象とはなりません。
- ■洋式便器等への便器の取替え
- 和式便器を洋式便器に取替える場合が想定されています。(腰掛便座の設置は除かれます)
和式便器から、暖房便座、洗浄機能がついた洋式便器への取替えは含まれますが、既に洋式便器である場合にこれらの機能を付加することは対象になりません。
さらに、非水洗和式便器から水洗洋式便器又は簡易水洗洋式便器に取り替える場合は、その工事のうち水洗化又は簡易水洗化の部分は含まれず、保険給付の対象とはなりません。
- ■対象となる住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
上記5つの住宅改修に付帯して必要となる住宅改修として次のものがあげられています。 - ア)手すりの取付けー手すりの取付けのための壁の下地補強
イ)段差の解消ー浴室の床の段差解消(浴室の床のかさ上げ)に伴う給排水設備工事
ウ)滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更ー床材の変更のための下地の補修や根太の補強又は通路面の材料の変更のための路盤の整備
エ)引き戸等への扉の取替えー扉の取替えに伴う壁又は柱の改修工事
オ)洋式便器等への便器の取替えー便器の取替えに伴う給排水設備工事(水洗化又は簡易水洗化に伴うものを除く)、便器の取替えに伴う床材の変更
一般的な住宅改修の手順

要支援、要介護の認定を受けていることが条件なので、まだ受けていない場合には、市区町村に申し出て認定を受けてください。
住宅改修の必要性についてケアマネージャーと相談しましょう。介護保険での住宅改修は事後申請ですが、各市区町村独自の助成も併せて受けようとする場合は、ほとんどが事前申請を条件としていますので、介護保険についても事前に担当窓口に相談したほうが良いでしょう。また理学療法士や作業療法士は、手すり一つにしても、体の状況にあったやり方をアドバイスしてもらえますので、可能ならば相談しましょう。
住宅改修をするということに決まったなら、住宅改修業者を選びます。最近は介護についての知識が乏しいままに工事をしたり、不当に高かったり、業者とのトラブルが増えています。ケアマネージャーが紹介してくれる場合もありますが、鵜呑みにせず、複数の業者の説明を聞き見積もりを取って比較した上で決めましょう。
選定した業者と最終見積書及び工事図面に基づいて契約します。出来る限り文書で契約します。業者によっては注文書・請書という形式を取る場合もあります。
契約した内容に合わせ工事をします。変更が合った場合には、メモ程度でもいいですから文書にしておきましょう。
支給申請書にサインします。
添付の書類は次のとおりです。
@領収証(支給対象外の費用が含まれた領収書でよい。工事内訳書で算定の方法がわかること。)
A住宅改修が必要な理由書(基本的にはケアマネージャーが作成する。)
B完成後の状態を確認できる書類等(箇所ごとの改修前後の写真で、撮影日が分かるもの。)
そのほかに、住宅改修を行った被保険者と住宅の所有者が異なる場合には、住宅所有者の改修承諾書が必要になります。
工事費用を業者に支払います。
市区町村が申請内容を審査し、支給・不支給の決定をし、その後支給決定額が支払われます。
※「住宅改修費」と「福祉用具購入費」については、原則として本人が購入費用をいったん全額支払うことになっていますが、全額の支払いが困難な場合などには、貸付の利用によりはじめから1割の自己負担の支払いのみでサービスを受けることができます。
その他の留意事項

- ●住宅改修の設計及び改修の費用
- 住宅改修の前提として行われた設計及び改修の費用は含まれますが、住宅改修を伴わないものについては支給対象となりません。
- ●新築又は増改築の場合
- 新築及び増築で新たに居室を設けるは場合は対象となりませんが、廊下の拡幅に合わせて手すりを取り付ける場合、便所の拡張に伴い和式便器から洋式便器に取り換える場合などは、支給対象となり得ます。
- ●住宅改修費の支給対象外の工事も併せて行われた場合
- 全体の中から抽出、按分などにより支給対象となる費用を算定します。
- ●被保険者などが自分で住宅改修を行った場合
- 被保険者などが自分で材料を購入し、本人又は家族がなどが住宅改修を行った場合、材料の購入費が支給対象となります。材料を購入した領収書に、使用した材料の内訳を記載した書類を工事費内訳書として添付します。その他の書類は同じです。
- ●一つの住宅に複数の被保険者いる場合の住宅改修の費用
- 被保険者ごとに住宅改修費の限度が管理されるので、それぞれ支給申請できますが、一つの住宅で同時に複数の被保険者に関連する住宅改修が行われた場合は、それぞれの被保険者にとって意味がある部分を特定し、その範囲が重複しないようにします。従って、共用の居室の床材変更などは、どちらか一方のみで支給申請をすることになります。
市区町村の助成制度へ
 |